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サン・ジュリアンの王、シャトー・レオヴィル・ラスカーズ1994
「サン・ジュリアンの王」、ラスカーズを飲むのは2度目です。それ以来、ボルドー左岸、特に サン・ジュリアン地区の大ファンとなってしまい、サン・ジュリアンの探究の旅人となってしまっています。格付ワインは高価なものが多いので、少しずついろいろなワインを飲んでいっています。
私の中ではサン・ジュリアンの特徴は、前回飲んだラスカーズの特徴が見本になっています。シャトー・ラグランジュ※やシャトー・グリュオ・ラローズ※などサン・ジュリアンのワインは何種類か飲みましたが、やはり延長線上にラスカーズが見えるような気がします。
※リンク先は本ブログの各ワインの記事です。
最近飲んだボルドー左岸では、最も好きなワインの1つで、また、サン・ジュリアン地区も最もお気に入りの地区の1つです。
生産者のシャトー・レオヴィル・ラス・カーズ
生産者の情報はいつもお世話になっているエノテカのページを抜粋・要約しています。
詳しくはこちら(エノテカオンラインのページ)
サン・ジュリアン村に位置する3つの「レオヴィル」の一つ。ラス・カーズ、バルトン、ポワフェレの兄弟は、元々1つのシャトーだったものが、分割され、別々のオーナーの元で歴史を刻んできました。
このレオヴィル・ラス・カーズは、「サン・ジュリアンの王」と言われ、その質の高さと安定した造りで、1級シャトーにも引けを取らないスーパーセカンドの筆頭です。
3つのレオヴィルの中で最も繊細と言われています。
その理由は構造、豊かさ、奥深さ、フィネスがこれほどまでに完璧に近い形でつりあっている銘柄は稀有だから。複雑で優美なサン・ジュリアン的スタイルというよりは、むしろ隣のポイヤックのような厚みを感じるのが特徴です。
所有する畑はあのシャトー・ラトゥールに隣接し、グラン・アンクロの土壌やジロンド河のミクロ・クリマにより、格付け1級シャトーに引けを取らないクオリティのワインを生み出しています。
総面積は約97ha。土壌は主に砂利と粘土質、石が多く転がる土地。水分と栄養素の低いこの土壌では、秀逸なカベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニヨンが結実します。この比類無き素晴らしいテロワールが、シャトー・レオヴィル・ラス・カーズのワインにその独特の個性と卓越したクオリティの高さを与えているのです。
どんな年でも一定の高さを保った品質のワインを造っています。また良年ヴィンテージにはカベルネ・ソーヴィニヨンの比率を上げるなどその年に造られる最高の品質のワインを生み出しているのです。
土壌や伝統、テロワールを深く理解しているからこそ成し得るものであると言えます。
サン・ジュリアンの王、ラス・カーズの感想
抜栓直後から香りがグラスから溢れ出ています。熟した黒系果実の甘い香り、ハーブ、トースト、お香、トリュフ、甘いスパイスのような香りが加わり、ずっと嗅いでいたくなるような素晴らしい香りです。
口に含むと、カシス、ブラックカラント、ブルーベリーなどの熟した濃厚な黒系果実に、クレーム・ド・カシスの上品な甘み、スパイス、なめし皮などが加わっています。
凝縮感が高く、タンニンも豊富ですが、熟成も進み、こなれている印象で、舌触りはシルキーです。そして果実の純粋さも残っています。余韻も非常に長く、独特な上品な甘みと香りが続きます。
このとき一緒に飲んだ妻は、抜栓したときはテーブルから離れていたのですが、テーブルの通りすがりにグラスから溢れる芳香に反応し、普段飲まないワインを開けたことに気づき、何を抜栓したのかすぐに聞いてきました。香りの量と質が凄いんだと思います。
グラスから溢れる複雑で素晴らしい、豊富な香りと、濃厚にしてシルキーな甘みのあるボディ。
今回は1994ヴィンテージ、前回は1990ヴィンテージの合計2本しか飲んだことがありませんが、しっかりサンジュリアンの王を記憶に焼き付けたと思います。
ちなみに❜90ヴィンテージはもっと美味しく、特に味わいが突出していました。パーカーポイントは97点です。
サン・ジュリアンの王、ラス・カーズの基礎情報
・生産地:フランス>ボルドー>サンジュリアン
・ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニヨン65%、メルロー19%、カベルネ・フラン13%。プティ・ヴェルド3%
・評価:パーカーポイント:91点、ワイン・アドヴォケイト誌:93点
・格付:ボルドー・メドック格付2級 (いわゆるスーパーセンカンド。格付1級に並ぶ水準といわれている2級格付。その中でも次の格付け見直しがあれば1級昇格候補筆頭と目されています)
・参考価格:40,000円台~
下記はセカンド。セカンドのル・プティ・リオン・デュ・マルキ・ド・ラス・カーズ2009の記事はこちら
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文中で引用した同じくサンジュリアン地区のシャトー・ラグランジュとシャトー・グリュオ・ラローズです。どちらも素晴らしいワインでした。
シャトー・ラグランジュ
シャトー・グリュオ・ラローズ