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ボルドーワイン格付3級 シャトー・ジスクール1996
ボルドーのメドック格付3級、ACマルゴーのシャトー・ジスクールのオールドヴィンテージです。既に20以上経過しています。
このヴィンテージでは、大枚はたいたシャトー・マルゴーを飲んでいます(ワインの感想の記事はこちら)が、複雑さや魅了されるかという点ではマルゴーは凄いと感じます。
しかし、このジスクールの1966は素晴らしいエレガントな香りを身に纏っていました。また、味わいもは下記生産者のところで引用したような筋肉質でリッチとは全く想像できないようなエレガントなワインになっていました。
ワインは、テロワール、ヴィンテージ、生産者、そして熟成など多様な要素で全く異なるワインになる良い例に感じました。
ボルドーワイン格付3級の生産者シャトー・ジスクール
生産者の情報はエノテカオンラインから引用しています。
詳しくはこちら(エノテカオンラインのページ」)
メドックのなかでも美しいシャトー(城)を持つことで有名なシャトー・ジスクール。450haという広大な敷地のなかには広い森と湿度と風を調整する人口湖を持っています。
シャトーの歴史は古く、1330年代へと遡ることのできる由緒あるシャトーで、17世紀には、当時の国王ルイ14世へワインを献上していたことが記録に残っているほどです。
1995年にオランダの実業家エリック・アルバダ・イエルヘルスマ氏に売却されてから、更なる投資によって品質向上を遂げています。
シャトーの畑は、ジロンド河から近い斜面の上部にある深い砂利質土壌。水はけがよい最上のテロワールから生まれるワインは凝縮度が高まり、堅固で気丈な個性を感じる味わいとなり、「『はずれ年』でも、ジスクールは品質の点で、ボルドーの大半の著名なシャトーのものを上回っていた。」とワイン・アドヴォケイト誌で賞賛されるほど。
あまり良くないヴィンテージであっても卓越したワインを造っているのは、ジスクールの畑がバラエティーに富んだ砂利が堆積した小高い丘の上に位置していることが大きく関わっています。
特徴としては、深みのある、場合によっては光を通さないほど濃い色合い、有り余るほどの凝縮感、たっぷりのタンニンによる筋肉質でリッチな造り。若い時にはその真価が完全に表現されているとは言いがたい状態ですが、十分に熟成された本当の飲み頃のワインはまさに秀逸です。
シャトー・ジスクール ボルドーワイン格付3級ワインの感想
私の感想では心もとなかったので、エノテカのコメント、ロバート・パーカーJR氏のコメントも記載してみました。
パーカー氏はあまり好みではなかったのは、コメントから良くわかります。
96ヴィンテージはボルドーでは95点以上の点数を多くつけている年であり、その分期待値も高かったのがコメントに垣間見えるようです。
個人的にはACマルゴー3級の当たり年にしては、タンニンをあまり感じないことから、非常にエレガントな舌触りと味わいになっていますし、香りは素晴らしいエレガントさと複雑さがあり、非常に好みでした。こういうボルドーもいいのではない⁉と思える美味しさでした。
・私の感想
「程良く熟したカシスなどの黒系果実、薔薇など花々がエレガントに香り、やや熟成によるタバコの香りがあり、複雑にしている。
この香りは非常に芳しく素晴らしい。何度も嗅いでいたくなる香りで、グラスを鼻に近づけては飲まずに離しをからは返してしまいます。
口に含むと、20年以上経過しているにもかかわらず、酸味はしっかりしていて若々しい。
程よく熟した黒系果実を思い浮かべる味わい。
タンニンは控えめで、滑らかでやや透明感のあるエレガントな味わい。」
・エノテカのコメント
「カシス、プラムの香りが豊かに広がり、 しばらくするとタバコのようなスモーキーな香りも感じられます。 口に含むとほんのりスパイシーな味わいで、 タンニンは柔らかく、エレガントな印象の余韻を残します。」
・ロバート・パーカー・JR氏のコメント
「この年のメドックにしてはがっかりとさせるワインの1996年ジスクールは、成長したプラム色をしており、緑にはいくらかピンク色も見られる。柔らかいワインで、いくらか草っぽい色合いがあるベリーの果実、ほのかな甘草やブラックカラントを思わせるが、深みや舌触りはあまりない。明らかに、1996年のジスクールは最終的なブレンドの際に選別していない。」
引用元:「厳正評価 世界のワイン―ワイン・バイヤーズ・ガイド (第1分冊)」(第5版)(
シャトー・ジスクール ボルドーワイン格付3級ワインの基礎情報
・生産地:フランス>ボルドー>マルゴー
・葡萄品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー他
・参考価格:20,000円弱
・ポイント:パーカーポイント83点
・格付等:ACマルゴー。メドック格付3級。
・購入先:エノテカ
・下記は若いヴィンテージ
・オールドヴィンテージ
・サードワイン。コミック「神の雫」にも登場したおすすめワインです。私も何度となくリピートしています。今回飲んだファーストとは全くイメージが異なり、もっとACボルドーらしいフレッシュで溌剌とし、かつ、黒系果実の旨味があり、非常に美味しです。2000円台~で楽しめます。
ボルドーワインのACマルゴー関連のおすすめ記事
シャトー・マルゴ1996の記事です。美味しかったですねぇ。まだまだ熟成しそうな雰囲気でしたが、20年で飲むのも、また良しだったのではないかと思います。なお、記事内のワインの感想は妄想verで記載していますので、ご注意ください。
「シャトー・マルゴー1996」
「シャトー・マルゴー」
・「パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー2016」 シャトー・マルゴーのセカンド。セカンドも以前飲んだことがありますが、並みのACマルゴーよりはるかに格上の華やかな素晴らしいワインです。初めて飲んだ時は、数千円だったのに、今や数万円のワインに!
・「マルゴー・デュ・シャトー・マルゴー2011」 シャトー・マルゴーのサード。このワインはエノテカ大阪店のワイン教室上級編(リンク先は本ブログの記事)でいただきました。サードで1万円超えとはびっくりですが、確かに美味しいワインです。まだ若いヴィンテージでしたので、熟成させるとさらに面白そう。