目次
シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト1994
今回のワインは料理を意識して抜栓しました。
唐突ですが、御節料理の「黒豆」を赤ワインで作るレシピがあり、正月に妻に作ってもらいました。その残りの赤ワイン(チリのフロンテラ・カベルネ・ソーヴィニヨン)を使ってロースト・ビーフを作ってくれました。
そこで、ローストビーフ、すなわち牛肉料理に合うワインは、ボルドーのポイヤックが良いなぁと思い、そろそろ飲み頃と思われるシャトー・グラン・ピュイ・ラコスト1994を抜栓しました。
今回のワインを購入したのは少し前の2018年12月で、約1年程セラーに寝かせていました。結構高かったワインですが、牛肉料理※1、冬の寒い時期※2、(気分はリッチな)年末年始と揃ったので、ボルドーのフルボディのこのワインを選択しました。
ワイン単体でも非常に香り高く、美味しかったですし、ローストビーフにも想像以上にぴったりでした。
※1 牛肉料理とタンニンが豊富な赤ワインを合わせると、赤ワインの渋味をやわらげてくれ、味わいに丸みを帯びさせ、柔らかい印象にしてくれます。結果、エレガントな印象が増します。また、牛肉料理には赤ワインを使って調理するレシピがあります。牛肉を柔らかくしたり、旨味を引き出すことができるようです。赤ワインを使った料理には、赤ワインを合わせるのは相性が良いケースが当然多いと思います。
※2 フルボディのワインは暑い時期は少し避け気味で、どちらかというと涼しい季節から寒い時期に飲みたくなります。
生産者:シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト
生産者の情報はエノテカオンラインから引用しています。
引用文にもありますが、メドック格付け5級とは言え、良い出来の年にはクオリティの非常に高いワインが造られているようですし、価格も他のポイヤックよりも比較的に手に入れやすい場合が多い印象です。
シャトー・グラン・ピュイ・ラコストについて
詳しくはこちら(エノテカオンラインのページ)
シャトー・グラン・ピュイ・ラコストは、ボルドーのワイン通たちから、長く愛されているお気に入りの銘柄のひとつ。その理由は、なんと言っても圧倒的なコストパフォーマンスの高さ。ポイヤックらしい豊かで力強いスタイルが魅力的で、常に安定した高い品質を誇っています。しかも、時には大きく期待を上回る優れた傑作を生み出しているにもかかわらず、価格は極めてリーズナブル。ポイヤックのみならず、ボルドー全体でも極めてお値打ちなワインなのです。
シャトーの起源は16世紀にまで遡ります。ポイヤック村の南にあるグラン・ピュイの丘に位置しており、昔の所有者の名前ラコストをつけ、現在のシャトー名になりました。先オーナーの故レイモン・デュパン氏は、ボルドー史上最高のグルメとして好評。そのデュパン氏は1980年に亡くなる前の1978年に、シャトーを人望の厚い現オーナー家の故ジャン・ウジェーヌ・ボリーに売りました。現在は息子フランソワ・グザヴィエ・ボリー氏が後を継いでいます。
ロバート・パーカー氏も「ジロンド河からはずいぶん内陸に入ったバージュの丘にあるグラン・ピュイ・ラコストは1kmほど離れた隣のランシュ・バージュと似ていなくもない、大柄で耐久力のある、フルボディのポイヤックを生産することで確固たる定評がある。(中略)1990年代半ばまでは価格が品質に追いつけなかったため、いまだに控えめな、いささか過小評価されているとさえ言える価格がついている。」 (ボルドー第四版)と言っています。
シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト1994 ワインの感想
熟したカシス、ブラックベリー、リコリス、甘い芳しい香り。さらに、西洋杉、土、トリュフなどの香り。素晴らしい香りです。まさに何層も重なるように、複雑でエレガントな香り。
口に含むと、未だに豊富なタンニンを感じ、絹のような滑らかさではないですが、熟成により柔らかいタンニンで滑らかになっています。熟したカシス、ブラックベリーなどの黒い果実、濃厚でエレガント。若干の酸味があり、甘味はあまり感じない。
スワリングしつつ、時間も経過してワインがさらに開いてくると、タンニンもほとんど感じなくなる。このワインは素晴らしくエレガント! 開けば開くほど芳しい甘い果実の芳香!とろけそうになりそうな芳しい香りと、果実の旨み、濃厚でエレガントな非常に美味しいワインでした。
ポイヤックが熟成により飲み頃になると、こうなるのかと言う、まさに見本の1つのような美味しさでした。特に香りが大好きです。
抜栓から数時間後のフィニッシュの頃には、空気が澄んだ森林の中のような清涼感のある香りや甘いサンダルウッドのような香りも感じることができました。
最後まで変化しながら楽しませてくれました。価格はそれなりにしますけど、満足度は非常に高いワインでした。といっても簡単に飲めない価格なのが残念ですが…。
余談ですが、昔(2000年頃)に、恐らく1988ヴィンテージのラコストを飲んだことがあります。その際は、非常に濃くて飲めたものではなかったという記憶があります。今回の香りや味わいとは全く異なる印象でした。ヴィンテージによる個性もあると思いますが、熟成がワインを変化させる1つの好例と感じました。
シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト1994の基礎情報
・生産地:フランス>ボルドー>ポイヤック
・葡萄品種:カベルネ・ソーヴィニヨン62%、メルロー38%
・参考価格:15000円前後
・ポイント:パーカーポイント90点
・格付:メドック格付5級
・インポーター:エノテカ
・購入先:エノテカオンライン(公式ページはこちら)
ポイヤックの格付けシャトー関連のおすすめ記事
ラランド・ボリー1993
シャトー・グラン・ピュイ・ラコストのセカンドワイン。オールドヴィンテージですが、価格も少し下がり5000円台。熟成のピークは越えていると思われますが、複雑で透明感のある面白く美味しいワインになっていました。
レゼルブ・ド・ラ・コンテス1994
ボルドーのポイヤックのシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドのセカンドワイン。メドック格付2級。熟成によってタンニンは滑らかになっているものの未だに感じるレベル。全体のバランスは良く、熟成による独特な芳香と、濃厚にしてエレガントな味わいのワインになっていました。8000円から14,000円位。
★ブログランキングに参加中です。よろしければクリックをお願いします!励みになります。