阪神百貨店本店で開催された第50回阪神大ワイン祭(2022.11)で、いつも立ち寄るカウンターバーと、久しぶりにイートスタンドのコーナーでグラスワインをいただいてきました。
初めてのピノノワール種のワイン2種(ブルゴーニュの古酒と日本ワイン)、そして、イタリア・フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の赤白1種ずつをテイスティングしてきました。
そんな阪神大ワイン祭の備忘録です。
目次
プレミアムワインバー×曽根崎フィレール@阪神大ワイン祭
阪神大ワイン祭に行くと、ほぼ必ず立ち寄り、普段飲めないワインをここでテイスティングしています。
過去には、エマニュエル・ルジェのヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ クロ・パラントゥーや、チリのアルマヴィーヴァなど、グラスではなかなか飲めないワインを試飲しています。
前回もお初の日本ワインばかり、ドメーヌ・ミエイケノ、小布施ワイナリー、平川ワイナリーを試飲しました。こちらも希少でハイクオリティな日本ワインばかりでした。
そして、今回はドメーヌ・カミュ・ペール・エ・フィスのジュヴレ・シャンベルタン1998と、ドメーヌ・タカヒコのナナツモリ・ピノノワール2016を試飲してきました。
ドメーヌ・カミュ・ペール・エ・フィスのジュヴレ・シャンベルタン1998(マグナム)
今回いただいたのはヴィンテージ1998のマグナムボトルのジュブレ・シャンベルタンです。
マグナムボトルは通常のボトルよりゆっくりと熟成が進むため、綺麗に熟成して美味しいとよく聞きます。
既に24年経過しており、グラスに注がれたレンガ色からも熟成が進んでいることが良く分かります。
そして、香りを少し取っただけで、素晴らしい古酒となっていることが分かりました。
・ドメーヌ・カミュ・ペール・エ・フィスのジュヴレ・シャンベルタン1998の感想
薄いレンガ色と化したピノノワール。透き通りつつも少し濁りがある。
ブランデーのようなエレガントでセクシーな香り。熟し切った果実の香りが出汁のように香る。非常に複雑、そして、甘やかで、とろけそうな香りです。
口に含むと、少し甘やかで、僅かに刺激もある。かなり出汁っぽい風味で熟成した果実のエキスが溶け込んでいる。昔は甘酸っぱいラズベリーの果実だったんだろうなと、想像させる。
人生を重ねた今、自分の人生を振り返りながら、しみじみととした気分に浸っているようなワインです。
・ドメーヌ・カミュ・ペール・エ・フィスのジュヴレ・シャンベルタンの基礎情報
生産地 | フランス>ブルゴーニュ>コート・ド・ニュイ>ジュヴレ・シャンベルタン |
ブドウ品種 | ピノノワール |
栽培・醸造法等 | 樹齢40年。伝統的製法で醸造。人為的な介入を極力避け、1つ1つの作業を丁寧に行う。
100%除梗。ゆっくりプレスし、15~18ヶ月間樽で熟成。 |
ドメーヌ・タカヒコのナナツモリ・ピノノワール2016
いつかは飲んでみたいと気になっていたドメーヌ・タカヒコのピノノワールです。
日本のピノノワールを飲むと、どんどん進化して行っていると良く感じます。
そんなピノノワールの1つではないかと期待していいただきました。
中でもかなり尖ったワイナリーではないでしょうか。
・ドメーヌ・タカヒコのナナツモリ・ピノノワール2016の感想
全体的にオレンジがかった美しいガーネット色。エッジにはレンガのような色が現れている。
香りを取ると、優しい甘酸っぱい果実を想像させる。しかし、同時に一定の熟成が進んだような、柔らかく優しい果実のエキスと化したような香りがする。熟れた赤いベリーや少しプラム(梅)など独特な香り。香りの粒子が空間を埋めるようなイメージも受ける。
口に含むと、香りのイメージと同様の、熟した赤いベリーやプラムなどの味わいを感じる。やはり熟れた果実のエキスや出汁の風味が非常に美味しい。
非常に繊細で透明感が高い。しかし、奥深い豊かな風味を、香り・味わいともに感じることができる。
・ドメーヌ・タカヒコのナナツモリ・ピノノワールの基礎情報
生産地 | 日本>北海道>余市町 |
ブドウ品種 | ピノノワール |
栽培・醸造法等 | 自社畑「ナナツモリ」。ビオロジック(有機栽培)。野生酵母で自然発酵。全房発酵。12ケ月樽熟成(12%新樽) |
・ドメーヌ・タカヒコについて
北海道余市町登地区でワイン造りをすることを目的に始まった醸造所を持つ農園。畑には、ビオで管理されたピノ・ノワール(約9000本)と納屋を改造した小さなワイン醸造所があり、独自の考えをもってワインを醸造している。
ドメーヌ・タカヒコは、長野県の小布施ワイナリーの2男である曽我貴彦が2010年に設立。東京の大学で醸造学を学んだ後、大学で働きながら微生物研究者への道へ進むが、ワインの魅力が忘れられず、10年間、ココファームワイナリーの農場長として働く。その間、日本中、世界中のワイン産地を巡る。中でもジュラのオベルノワのワインに強く感銘を受け、そんなワインをイメージしたワイン造りをピノノワールで目指したく、余市町で4.6haの農地を購入し、ドメーヌを設立。現在は13系統のピノ・ノワールを栽培しており、全てビオロジック(有機栽培)にて栽培管理している。野生酵母、全房発酵が特徴であるため、色調は淡いものの、余韻が長く旨味を伴う香味は多く人を魅了する。2015年ウ゛ィンテーシ゛より赤ワインにおいては亜硫酸を使用していない。農夫でなければ造れない、そんな自然なワイン造りと、様々な意味での続けられる農業とワイン造りを目指す。
ドメーヌ・タカヒコの公式ページより抜粋・引用(こちら)
日本ワイン飲み比べ三種セット
こちらは妻が選んだセットです。銘柄は入れ替わっていますが、前回私が選んだセットでもあります。
日本のワインの中でも、ちょっと手に入りにくいものや、こだわりのワイン造りをしているワイナリーが選択されています。
今回は下記3種類のワインでした。
アルバリーニョ2019/ドメーヌ・ソガ
ドメーヌ・ソガのワインは公式ページを見てもあまり情報がありません。昨年経験済。
実はワインのエチケット裏にワインの詳細が記載されています。
下記はその抜粋です。
・生産地:長野県>上高井郡>小布施町>自社ワイン畑(ドメイヌソガ)
・栽培醸造法:ヨーロッパ仕立てで栽培・醸造
・特徴:華やかな香り、アルバリーニョ由来の透明感あふれる酸、上高井の大地由来のミネラル感が特徴。
そして、下記は小布施ワイナリーの公式ページ(こちら)からの抜粋です。
・小布施ワイナリーについて
自社畑で栽培されているブドウを使ったワインであるドメーヌ・ソガ シリーズと、他社のブドウを買い取り自社で醸造を行う、いわゆるネゴシアンものであるソガ・ペール・エ・フィス シリーズがある。
ドメーヌ・ソガでは2005年から無化学農薬栽培を開始し、2011年から無化学農薬栽培の一部の畑について有機JAS認証を取得しています。
スゴンヴァン テール・ド・ヨイチ2016/平川ワイナリー
赤ワインであることしかわかりません。平川ワイナリーはセパージュを非公開としているため、情報が拾えません。
相変わらずのこだわりです。
下記はエチケット裏のコメントより引用。
「品種の特徴を超越し、大地の味わいの表現を追求した平川ワイナリーのセカンドワインです。北海道余市の大自然の素晴らしさが美食の舞台で分かち合い、愛されることを願っています。」
以下は、平川ワイナリー公式ページ(こちら)からの抜粋・引用。
・テール・ド・ヨイチとは
グランヴァンのブドウ以外で、最大限の醸造学的知識とブレンド能力によって生まれる。グランヴァンより作るのが難しく、常に高品質であることをポリシーとしている。
・スゴンヴァンのテイスティング・コメント
濃い色調。豊かな果実香にスパイシーなニュアンス。樽と果実課が調和。食と共に、優しさと味わい深さが魅力的な赤。
・平川ワイナリーについて
代表取締役の平川敦雄氏について
国立東京農工大学農学部生物生産学科卒業後、フランス農学部門最高峰のグランゼコールである国家技術士養成機関 ENSAアグロモンペリエ(現SupAgro Montpellier)のブドウ栽培学-ワイン醸造学科の専門課程を卒業。
ボルドー大学醸造学部デュブルデュー研究室で芳香性分子の研究を経て、ボルドー大学醸造学部認定DUADを2007年に首席で取得。
12年間にわたり、フランスの有名ワイナリーでブドウ栽培・ワイン醸造業務に携わると同時に、世界的な名声を持つ美食レストランにてソムリエとしても従事し、食とワインのスペシャリストとしての経験と、栽培から醸造、味覚学、レストランサービスまでの幅広い知識を有している。
2008年、帰国後に北海道へ移住。ミシェル・ブラストーヤジャポンのシェフソムリエとしての勤務を経て、2014年に北海道余市町沢町で農業生産法人平川ファーム、2015年に株式会社平川ワイナリーを設立。経験と感性を最大限に生かし、農業の現場からガストロノミーを追求した、本格的なワイン造りを目指している。
菊鹿シャルドネ/菊鹿ワイナリー
下記は熊本ワイナリーのオンラインショップ(こちら)から抜粋。
ステンレスタンクのワインと樽熟成のワインをブレンドすることにより、やわらかさと深みを持たせました。
凝縮感のある味わいをお楽しみいただけます。
白桃、熟したリンゴ、オレンジの花、そして樽由来のバニラのような香りが感じられ、しっかりとした味わいの、白の辛口に仕上がっています。
・年間日照時間が2000時間を超える菊鹿町産シャルドネ100%使用
・ステンレスタンクで発酵させたワインと、発酵後、樽で緩やかに熟成させたワインをブレンド。
下記は菊鹿ワイナリーの公式ページ(こちら)より抜粋・引用。
・ブドウに関して
2018年に植栽した自社農園では、これまで地域の生産者と培ったノウハウを結集し、施設の設計、品種やクローンの選抜、仕立てや管理方法などを細かく設定しています。地域に適した品種の模索も含めて新たな品種でも ブドウ造りに取り組んでいます。九州でチャレンジできなかった品種も栽培を行っており、開閉式レインカットの導入により効果的な水分管理で健全なブドウが収穫でき、より造り手がイメージするワイン造りへ一歩近づきました。
・ワイン醸造
仕込み場はブドウ畑と隣接することにより、収穫後の新鮮な状態をそのままに醸造が可能となりました。収穫されたブドウを選果テーブルで振り分けを行い、小ロットでもクオリティの高いワインが醸造できます。設備は小規模タンクを設置し、気候風土を活かすための醸造スタイルと造り手の感性がブレンドされ、菊鹿のテロワールを表現します。
ワインバー by 北新地『Wine アメリ』@阪神大ワイン祭
何か珍しいワインがグラスで飲めないかなぁと、イートスタンド周辺をうろうろしていた時に、イタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州のワインが目に入りました。
好きなワインがたくさんあるイタリアの北東部の州です。
初めてのワイナリー、かつ、初めてのワインてしたので、グラスワインを赤・白各1種類ずつオーダーして、テイスティングしてみました。
イタリアは奥深いなぁ。土着品種の宝庫ですね。
リボッラ・ジャッラ/ドムス・ヴィーニ
写真右
・ドムス・ヴィーニのリボッラ・ジャッラの感想
爽やかさとふくよさも感じるバランスの良いワイン。
しっかりと冷やせば、スッキリめの味わいを楽しめ、温度を上げれば、ふくよかさもしっかりと感じられそうです。
リンゴ、柑橘類、爽やかな香り。控えめにナッツ、バニラ、爽やかだけど、まろやかな香り。
口に含むと、柑橘類、リンゴ、南国果実、ナッツ、オイルなどの爽やかだけど、ふくよかな味わい。余韻でも両方が感じられる。
・ドムス・ヴィーニのリボッラ・ジャッラの基礎情報
生産地 | イタリア>フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州 |
原産地呼称等 | IGP.ヴェネツィア・ジュリア |
ブドウ品種 | リボッラ・ジャッラ |
レフォスコ・ダル・ペドゥンコロ・ロッソ/ドムス・ヴィーニ
写真左
・ドムス・ヴィーニのレフォスコ・ダル・ペドゥンコロ・ロッソの感想
黒系ベリーのフルーティさと甘やかさも感じるワインです。しっかりとした骨格がありながら、柔らかく、一見濃厚だけど、やや軽やかに飲めるワイン。
カシス、ブラックベリー、やや甘やかなスパイス、タバコ、スモーク、カカオなどの香り。
口に含むと、カシス、ブラックベリー、リコリス、少しコーヒー、スパイス、リキュール、少しブラックチェリーなどの味わい。
・ドムス・ヴィーニのレフォスコ・ダル・ペドゥンコロ・ロッソの基礎情報
生産地 | イタリア>フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州 |
原産地呼称等 | IGP.トレヴェネツィエ |
ブドウ品種 | レフォスコ |
阪神大ワイン祭
第50回阪神大ワイン祭のページ(こちら)より引用
第50回を迎えた今回は、約600銘柄のフリーテイスティングのうち、スパークリングワイン約100銘柄以上を取り揃える充実ぶり。
さらに、オンライン限定!第50回記念ワインセットの販売などスペシャル企画も。
会場で、オンラインで、お楽しみください。
プレミアムワインバーやワンコインバー、日本ワインバーも登場。ワインラバーのトークショーや音楽イベントなども盛りだくさん。
さらに“大ワイン祭コンシェルジュ”もスタンバイしてワイン選びのお手伝い。
開催場所:阪神百貨店梅田本店
開催期間:2022.11.2.~7.