今回のワインは、ジョルジュ・ルーミエのシャンボール・ミュジニー2009を抜栓しました。自宅のセラーで約5年熟成させてからの抜栓です。
約5年前の2017年当時に、タカムラワインハウスで約28,000円で購入しました。
WEBで検索すると、現在は若いヴィンテージの2018vtでも10万円弱もする非常に高価なワインとなっています。
ブルゴーニュの有名生産者は、高嶺の花の世界ですね。恐ろしい値上がり具合です。
そんなワインの感想です。
目次
ジョルジュ・ルーミエのシャンボール・ミュジニー2009
ジョルジュ・ルーミエのシャンボール・ミュジニー2009の情報はマリアージュ・ド・ケイのページから抜粋・引用しています。
収穫は全て手摘みで行われ、選別は畑と醸造所とで2度行います。特に醸造所での選別は厳しく行い、状態と質のよい葡萄のみ残します。
除梗の割合はアペラシオンによって違いますが、70〜100%行います。そして葡萄はコンクリートタンク(アペラシオンによってはステンレスタンク)に移され、約11℃で低温浸漬を10日間ほど行います。そして1日2回櫂入れ及び液循環を行いつつ、約2週間かけて自然酵母でアルコール醗酵が行われます。その後、空圧式圧搾機でプレスしてワインは樽へ移されます。新樽率はアペラシオンごとに違い、15〜40%程で16か月ほど熟成させます。
詳しくはこちら(マリアージュ・ド・ケイ(楽天市場)のページ)
シャンボール・ミュジニーの生産者:ジョルジュ・ルーミエ
シャンボール・ミュジニー2009の生産者、ジョルジュ・ルーミエの情報はマリアージュ・ド・ケイのページから抜粋・引用しています。
詳しくはこちら(マリアージュ・ド・ケイ(楽天市場)のページ)
ブルゴーニュの中でも特に希少で人気のあるブルゴーニュの生産者。 その筆頭がジョルジュ・ルーミエでしょう。
ジョルジュ・ルーミエというドメーヌ名は現在の当主であるクリストフ祖父(ルーミエの名声を築き上げた人物)の名です。
シャンボール・ミュジニーにミュジニー、ボンヌ・マール、アムルーズの3つの重要な畑を所有している、シャンボール屈指の造り手です。
クリストフは大学卒業後にすぐにドメーヌを継ぎ、1961年に祖父が引退してから低迷していたドメーヌの評価を現在の最高のレベルへと引き上げました。
クリストフ氏がドメーヌに携わるようになってからは、ワイン造りが自然派に向かってきています。
化学薬品・化学肥料・除草剤の廃止はもとより、グリーンハーベストを実践して葡萄の質を高め、マロラクティック発酵後は果実のフレッシュ感を保つためにラッキング(澱引き)をしないで、そのまま無清澄、無濾過で瓶詰めされます。
ジョルジュ・ルーミエのシャンボール・ミュジニー、万華鏡のように、の感想
落ち着きのある色調。エッジにはオレンジ色が見えますが、全体としては僅かにオレンジがかった透き通る濃いめのルビーレッド。
ややフレッシュな黒系ベリーや赤系ベリー、スミレやバラなどの花々、ヨーグルト、ドライフルーツ、出汁、枯葉、土、バニラ、爽やかなスパイスなどの香り。
香りの全ての要素は、一つ一つ控えめに香ります。
まだフレッシュさを伴う赤黒系ベリーのフルーティさや、花々のフローラルさ、そして、バニラやヨーグルトのようなマイルドさや酸味をイメージし、さらに、控えめにスパイシーさ、そして、出汁の香りも感じます。
スワリングする度に香りの要素が増え、各要素の強弱も入れ替わっていきます。
変化して巡り巡って行く様子を楽しむことができます。
口に含むと、タンニンは極めて繊細で、かつ、ほぼ溶け込んでいて、ごく僅かに感じるかどうかです。
渋味もごく僅かしか感じるかどうかで、飲み進めるとすぐに感じなくなります。
控えめな酸味があり、甘味は皆無です。
飲み進めると、控えめにドライフルーツのような甘味を感じます。
ややフレッシュなブラックベリーなどの黒系ベリーやカシス、ラズベリーやストロベリーなどの赤系ベリー、ドライフルーツ、スパイス、出汁、控えめに、果実のリキュール、オレンジ、ブランデーなどの味わい。
ボディはしっかりとしていて骨格があるのに、非常に滑らかで、シルキーな舌触りです。
ちなみに、シルキーな舌触りは久しぶりに感じました。
余韻は非常に長く、様々な果実がぎっしり詰まった旨味が口内に残り続けます。
ブランデーのような透明感と艶やかさも感じます。
香りと同様、スワリングする度に味わいが変化していき、口に含む度に、様々な表情を見せてくれます。
そのため、このワインの素顔、本質を見極めるのが難しい。
スワリングする度に、万華鏡のように多彩な味わいや香りが変化していく、そんなシャンボール・ミュジニーです。
抜栓2時間後、ブランデー、ドライフルーツ、花々など、抜栓直後よりもエレガントで艶やかな香りが主役に感じる。
口に含むと、ブランデー、ドライフルーツ、スパイスなどの味わい。
余韻は相変わらず長く、しかし、ブランデーっぽさが中心で、より洗練されて、艶やかです。
抜栓直後はしっかりとした印象のボディでしたが、抜栓後2時間もすると、滑らかさがありつつ、透明度が高い、透き通る液体に感じられます。
非常に舌触りもエレガントです。
じっくりと意識して味わうと、やはりしっかりとしたボディです。
香りや味わいのエレガントさが、透明度が高いというイメージを造り上げているようです。
でも非常にエレガントで美味しいです。
抜栓3日目、少し熟した黒系ベリー、リキュール、スミレの花やバラの花など花々、森の下草、リコリス、バニラなどの香り。
口に含むと、熟した黒系ベリー、バニラ、リコリス、トリュフ、カシスリキュール、スパイスなどの味わい。
香りは落ち着きのある黒系ベリーが強く、花々、リキュールが印象的です。
ボディはしっかりとした骨格があり、シルキーな舌触り、やや熟したフルーティさ、クリーミーさなどがあり、抜栓初日の抜栓直後に近いニュアンスに逆戻りした感があります。
ただ、抜栓3日目は初日と少し違う、よりまろやかなニュアンスの美味しさが楽しめました。
抜栓3日目の2時間後、急速にヘタリだして、終焉を迎えました。
セラーから出した後は、抜栓初日も抜栓3日目も飲んでいる間は、瓶には栓をせず、室内に放置して自然に任せて開かせています。ヘタリはその影響もあると思います。
しかし、3日目の飲み始めはしっかりとした骨格も感じて、まだまだこれからという印象でした。
それが急にヘタってしまったのには、少し違和感を感じました。
何故でしょうか?
2009vtなので、既に13年も経過しているし、プルミエ・クリュやグラン・クリュではないヴィラージュ・クラスですので、さすがに抜栓後は栓をして保管するべきだったかな?
などと思いながらフィニッシュしました。
いずれにしろ、抜栓初日も3日目も共に、堪能することができる非常に美味しいワインでした。
今回のジョルジュ・ルーミエのシャンボール・ミュジニー2009は、2017年に28,000円位で購入しました。
現在は若いヴィンテージの2018vtでも、10万円弱となっています。
もう買えないクラスのワインになってしまっています。
一度は経験してみたいルーミエですが、今後はますます高嶺の花になりそうです。
5年前の価格でも清水の舞台から飛び降りる思いで購入しましたが、今思うと、買っておいて良かったと思います。
高価なワインですが、やはり素晴らしいワインであることは、間違いありません。
特に、抜栓直後の万華鏡のように移り行く香りや味わいは、素晴らしかったです。
ジョルジュ・ルーミエのシャンボール・ミュジニーに合わせた料理など
・ポークソテー 粒マスタードソース:
・バゲット:Le Petit Mec 阪神梅田本店。(公式ページはこちら)
「通常の1/12という微量のイーストで長時間発酵させて作ったフランスパンです。」(店舗のポップより)
豚肉は非常に柔らかく、塩胡椒が旨味を引き出しています。
マスタードソースと好相性で、マスタードの酸味が刺激になり、さらに食欲をそそります。
ジョルジュ・ルーミエのシャンボール・ミュジニーと合わせると、フルーツの多彩さがより感じられ、マスタードソースとも豚肉の旨味とも非常に相性が良いです。
ワインは料理に負けず、ワインの美味しさが全く負けていないところがびっくりです。さらには、料理の味わいを消してしまわないところもブルゴーニュらしいです。
料理もワインも美味しく、感じられる良いペアリングでした。
・胡麻油香るレモンペッパーチキンと、ラタトゥイユ:成城石井
・バゲット・モンジュ:ル・ブーランジェ・ドゥ・モンジュ梅田阪急店。(公式ページはこちら)
「もっちりした食感、パリっとした皮が特徴のモンジュ自慢のバゲット。有機小麦(フランス製造)95%使用。」(店舗のPOPより引用)
ワインをチキンと合わせると、チキンのしっかりめの味付けに負けず、ワインのフルーティさが楽しめます。ワインの出汁っぽさも、料理を補強するかのように味わうことができ、健在です。
成城石井のラタトゥイユは、トマトソースが濃厚で美味しく、野菜もたっぷりといただけます。そのため、よく購入しているお気に入りです。
ワインとも相性は良く、ワインはペアリングしてもほぼ何も変わらないです。
少しトマトソースの味わいが加わりつつ、各野菜の味わいもするけれど、ワインはブレることなく、そのままの美味しさを楽しめます。
モンジュのバゲットは細長く、皮の部分が多く、香ばしさをしっかりと楽しめます。皮はかなり硬めですが、中は少ししっとりしていて、小麦の香ばしい風味も美味しいです。
ジョルジュ・ルーミエのシャンボール・ミュジニーの基礎情報
・ワイン名:シャンボール・ミュジニー2009
・生産者:ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエ
・生産地:フランス>ブルゴーニュ>コート・ド・ニュイ>シャンボール・ミュジニー
・葡萄品種:ピノノール
・原産地呼称等:AC.シャンボール・ミュジニー
・栽培・醸造法等:化学薬品・化学肥料・除草剤不使用。グリーンハーベスト。手摘み。70〜100%を除梗。コンクリートタンク(アペラシオンによってはステンレスタンク)で、約11℃で低温浸漬10日間。その後、1日2回櫂入れ及び液循環を行いつつ、約2週間かけて自然酵母でアルコール醗酵。その後、空圧式圧搾機でプレスし、新樽率15〜40%程で約16か月熟成。マロラクティック発酵、ラッキング(澱引き)せず、無清澄・無濾過で瓶詰め。
・抜栓時期:2022.08.
・インポーター:株式会社ジャパンインポートシステム (公式ページはこちら)
・参考価格(ネットショップ):100,000円弱~
・購入先:タカムラ ワイン ハウス(楽天市場)
2017年当時28,000円位で購入。
高価なブルゴーニュ・ルージュ関連のおすすめ記事
今回はジョルジュ・ルーミエのシャンボール・ミュジニー2009を抜栓しました。万華鏡のように多彩な味わいや香りが変化していく、そんなシャンボール・ミュジニーでした。
下記は今回同様2万円越えの高価なブルゴーニュ・ルージュです。
・クロ・ド・ヴージョ・グラン・クリュ2012/ドルーアン・ラローズ
24,000円台~。
バラなどのエレガントな花々、ややフレッシュな赤黒系果実、出汁、土、森の下生え、トリュフ、クレームドカシス、スパイス、リキュールなどの香り。
口に含むと、やや熟したフランボワーズやブルーベリー、土、スパイス、出汁っぽさなど芳醇な味わい。
・マジ・シャンベルタン・グラン・クリュ2005/フェヴレ
27,000円台~。
熟した黒系ベリーの果実、クレーム・ド・カシス、トリュフ、出汁、きのこ、サンダルウッドなど甘やかさのある芳醇な香り。
口に含むと、ブラックチェリーなどの黒系果実の甘やかさ、出汁やトリュフ、きのこのような旨味。非常に芳醇なワイン!