目次
- 1 アルザスのワインの特徴や主要AOCについて
- 2 アルザスワインの特徴や地域・気候など
- 3 アルザス・ワインの代表的なブドウ品種
- 4 アルザス・ワインの主要AOC
- 5 アルザスのワインの特徴や主要AOC関連のおすすめ記事
- 6 アルザスのワインの特徴や主要AOC関連のおすすめワイン
- 7 アルザスのワインの特徴や主要AOC関連の参考資料
アルザスのワインの特徴や主要AOCについて
フランスのワイン10大産地の1つであるアルザス地方の特徴を簡単にまとめています。アルザスは、ブルゴーニュ、ボルドーを含めたフランス3大ワイン街道の1つがある地域でもあり、ワインの主要な生産地域の1つです。
少し前にアルザスに旅行(ワイナリー巡りを含む)に行き、多くのアルザスワインを知るきっかけになりました。下記はその時の記事です。
アルザスワインの特徴や地域・気候など
・地域:ライン川をはさんでドイツと国境を接する地域です。ブドウ畑はヴォーヌ山脈東側丘陵地にあり、ストラスブールからミュルーズまでの100km、幅1から5kmの帯状の斜面に広がっています。そしてアルザス西方に位置するロレーヌ地方があります。
下記写真中段上まではアルザスの中心都市ストラスブールの写真。上段左からノートルダム(ド・ストラスブール)大聖堂。ストラスブールの木組みの建物など。中段上左はストラスブールの公園付近、同プティット・フランス。中段下左からアルザスワイン街道の町、オデルヌの村、リクヴィルの村、コルマールの村の建物。
・土壌:花崗岩質、粘土質、頁岩質、石灰質など多様。
・気候:日照量が多く、乾燥した大陸性気候。
・河川:ライン川。ロレーヌ地方にはモーゼル川とムーズ川が流れる。
・単一品種で醸造することが多く、また、品種名がエチケットに表記されている。
・ボトル:独特な細長いフルート型ボトル。
写真は独特なフルート型ボトル、エチケットには赤字で品種名のMUSCAT(ミュスカ)の表記。TRIMBACH(トリンバック)はワイナリー名。
このワインを飲んだ時の記事はこちら
・ワイン生産:赤・ロゼワイン7%、白ワイン93%
上記はリースリング単一の品種で造ったワイン。品種名がエチケットに記載されており、独特なフルート型ボトル。そして、このワインは私のお気に入りです。
アルザス・ワインの代表的なブドウ品種
アルザスの白ブドウ:ピノブラン、リースリングなど
・ピノ・ブラン(クレヴネル):ピノ・ノワールから派生した白ブドウ。オーセロワもピノ・ブランと呼ばれる。クレマン・ダルザスのベースワインに使われることが多い。クレヴネル・ド・ハイリゲンシュタイン(サヴァニャン・ロぜ)とは異なる品種。
⇒トリンバックのピノ・ブランのワインの感想の記事はこちら
写真は2本ともクレヴネル。右が同レゼルヴ。
写真のワインをテイスティングしたアルザス・ワイナリツアー1軒目の記事
・リースリング:ライン川を代表する品種で、アルザスで最も広く栽培される品種。
・ゲヴェルツトラミネール:アルザスで古くから植樹されていたトラミネル・ロゼから派生した品種。スパイシーな(=ゲヴュルツ)トラミネルという意味。
・ピノ・グリ:ピノ・ノワールから派生した品種。
・シルヴァネール:オーストリア原産と見られている。
・ミュスカ・ダルザス:アルザスでは辛口ワインに仕上げる。ミュスカ・ア・プティ・グラン、ミュスカ・オットネルの2種類があり、通常この2種をブレンドする。
写真はトリンバックの美味しい辛口のミュスカ。⇒ワインの感想の記事はこちら
アルザスの黒ブドウ:ピノ・ノワール
アルザス・ワインの主要AOC
「AOCとは?」については下記記事をご参照ください。
AOCアルザス(ヴァン・ダルザス)(赤・ロゼ・白)
AOCアルザスについて
・アルザス地域全体で造られる。
・単独品種の場合は品種名を、複数品種の場合は「エーデルツヴィッカー」「ジャンティ」などと表示する。
・11の地理的表示を付記することができる。※
・AOCアルザスよりも厳しい規定を満たした場合は「リュー・ディ」(小地区)の名前を付記することができる。(リュー・ディについては「グラン・クリュ」の項を参照ください)
・「ヴァンダンジュ・タルディヴ(Vendanges Tardivers)」、「セレクション・ド・グラン・ノーブル(Selection de Grains Nobles)」(白のみ)をGewurztraminer、Muscat、Muscat Ottonel、Pinot Gris、Reislingと表記したものだけに付記できる。
※AOCアルザスの11の地理的表示
Blienschwiller
Cotes de Barr
Klevener de heiligenstein
写真のワインはいずれもクレブネル・デュ・エイリンゲンシュタイン。右は同レゼルヴ。
Scherwiller
Wolxheim
Vallee Noeble
Val Saint Gregoire
Roderm
Saint Hippolyte
Ottrott
Cote de Rouffach
AOCアルザスで表示される品種名(実際の品種名)
Auxerrois (Auxerrois)
Chasselas/Gutedel (Chasselas,Chasselas Rose)
Gewurztraminer (Gewurztraminer)
Muscat (Muscat a Petits grains,Muscat Rose a Petits Grains,Muscat Ottonel)
Muscat Ottonel (Muscat Ottonel)
Pinot Blanc (Auxerrois,Pinot Blanc)
Pinot/Klevne r(Auxerrois,Pinot Blanc,Pinot Noir(白に醸造したもの),Pinot Gris)
Reisling (Reisling)
Sylvaner (Sylvaner)
写真は左からブドウ品種が、赤のピノ・ノワール、ロゼのピノ・ノワール&ピノ・オーセロワ他複数品種、白のピノ・オーセロワ、ゲヴェルツトラミネール、リースリング。
写真、最後の2枚をテイスティングしたワイナリツアー2軒目の記事
AOCアルザス・グラン・クリュ
アルザスのグラン・クリュと51のリューディーについて
・51のリュー・ディ(小地区)がグラン・クリュとして認められている。AOCに51のリュー・ディを付記する形で表示する。※
・白ワインのみで、ブドウは手摘みが義務づけられている。
・ゲヴェルツトラミネール、ピノ・グリ、リースリング、ミュスカの4品種(例外あり)で造られる。
・例外
Alsace grand cru Zotzenbergのシルヴァネール:ゲヴェルツトラミネール、ピノ・グリ、リースリング・シルヴァネールから1品種を使用
Alsace grand cru Altenberg de Bergheim:複数品種のアサンブラージュ。ゲヴェルツトラミネール、ピノグリ、リースリングから1品種、または、リースリング主体にゲベルツトラミネール、ピノ・グリを補助品種とする。2005年3月26日以前に植樹された畑は付帯品種として数種類使用が認められている。
Alsace grand cru Kaefferkopf:ゲヴェルツトラミネール、ピノ・グリ、リースリングから1品種、または、ゲヴェルツトラミネールを主要品種、リースリングを補助品種、Muscat a Petits Grains ,Muscat Rose a Petits Grains,Muscat Ottonel,Pinot Grisを付帯品種。
※アルザスの51のリュー・ディ
Altenberg de Bergbieten (Bergbieten)
Altenberg de Bergheim (Bergheim)
Altenberg de Wolxheim (Wolxheim)
Brand (Turckheim)
写真はゲヴェルツトラミネール・グラン・クリュ・ブラン(Brand)
Bruderthal (Molsheim)
Eichberg (Eguisheim)
Engelberg (Dahlenheim)
Florimont (Ingersheim)
Frankstein (Dambach-la-Ville)
Froehn (Zellenberg)
Furstentum (Kientzheim & Sigolsheim)
Geisberg (Ribeauville)
Gloeckelberg (Rodern & St-Hippolyte)
Goldert (Gueberschwihr)
Hatschbourg (Hattstatt & Voegtlinshoffen)
Hengst (Wintzenheim)
kaefferkopf
Kanzlerberg (Bergheim)
Kastelberg (Andlau)
Kessler (Guebwiller)
Kirchberg de Barr (Barr)
写真はリースリング・グラン・クリュ・キルシュバール・デュ・バール。
Kirchberg de Ribeauville (Ribeauville)
Kitterle (Guebwiller)
Mambourg (Sigolsheim)
Mandelberg (Mittelwihr)
Marckrain (Bennwihr & Sigolsheim)
Moenchberg (Andlau & Eichhoffen)
Muenchberg (Nothalten)
Ollwiller (Wuenheim)
Osterberg (Ribeauville)
Pfersigberg (Eguisheim)
Pfingstberg (Orschwihr)
Praelatenberg(Orschwiller & Kintzheim)
Rangen (Thann & Vieux Thann)
Rosacker (Hunawihr)
Saering (Guebwiller)
Schlossberg (Kaysersberg & Kientzheim)
Schoenenberg (Riquewih)
写真はピノ・グリ・グラン・クリュ・ショーンアンブール
Sommerberg(Niedermorschwihr & Katzenthal)
Sonnenglanz (Beblenheim)
Spiegel (Bergholtz & Guebwille)
Sporen (Riquewih)
Steinert (Pfaffenheim)
Steingrubler (Wettolsheim)
Steinklotz (Marlenheim)
Vorbourg (Rouffach & Westhalten)
Wiebelsberg (Andlau)
Wineck-Schlossberg (Katzenthal & Ammerschwih)
Winzenberg (Blienschwille)
Zinnkoepfle (Westhalten & Soultzmat)
Zotzenberg (Mittelbergheim)
写真は左からブドウ品種が、ゲヴェルツトラミネール、ピノ・グリ、リースリングのグラン・クリュ。
写真のワインをテイスティングしたワイナリツアー3軒目の記事。
アルザスのスパークリング クレマン・ダルザス(ロゼ・白)
「クレマン・ダルザス」は、「クレマン・ド・アルザス」の「ド・アルザス」が「ダルザス」と発音されています。
シャンパーニュと同様に瓶内二次発酵で造られるスパークリングを指します。なお、ロワールやブルゴーニュなど他の地域にもクレマン・ド・〇〇のAOCが存在します。〇〇にロワールやブルゴーニュが入ります。
写真は左からブドウ品種が、ピノ・ノワール&ピノ・オーセロワ、ピノ・ノワール、ピノ・ノワール&ピノ・グリ他。
アルザスの甘口ワイン ヴァンダンジュ・タルディヴ(遅摘み。白)
AOCアルザスとAOCアルザス・グラン・クリュに「ヴァンダンジュ・タルディヴ」、「セレクション・ド・グラン・ノーブル」の表記が認められている。遅摘みによるパスリヤージュ(樹上乾燥)や貴腐ブドウから造る甘口ワインにつけることができます。
セレクション・ド・グラン・ノーブル(粒選り摘み。貴腐。白)
写真はセレクション・ド・グラン・ノーブル。上品で貴賓がある甘口ワインでした。美味しかったです。
アルザスの甘口ワイン ヴァンダンジュ・タルディヴのブドウ品種
・ブドウ品種:ゲヴェルツトラミネール、ピノ・グリ、リースリング、ミュスカ。(※下記写真はイメージ)
・ブドウは手摘み
・収穫時の糖度が一定以上
アルザス、ロレーヌ地方の主要AOC
アルザス、ロレーヌ地方の主要AOC
・コート・ド・トゥール(赤・グリ・白)
・モーゼル(赤・ロゼ・白)
アルザスのIGP
産地:Alsace-Est。
アルザスのIGP
・コート・ド・ミューズ(Cotes de Meuse)
※「IGPとは何?」については下記記事をご参照ください。
アルザスのワインの特徴や主要AOC関連のおすすめ記事
・アルザスのワイナリー・ツアーの記事です。本記事に使用している写真の多くはこのツアーでテイスティングしたワインです。
・アルザスのワインは最近はショップでもよく見かけるようになりました。お気に入りのワイン産地の1つです。下記はトリンバックのピノ・ノワール、リースリング。
・神の雫に登場した和食とのマリアージュをイメージしたアルザス・ワイン。5種類のブドウをアッサンブラージュしています。
キュヴェ・ギョタク2016 ドメーヌ・ミッドナット・フレール
アルザスのワインの特徴や主要AOC関連のおすすめワイン
アルザスのワインの特徴や主要AOC関連の参考資料
1 「2014 ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート 日本ソムリエ協会 教本」一般社団法人日本ソムリエ協会
※私の持っているのは少し古い「2014」ですので、上記記事の内容は更新されている可能性があります。
2 「神の雫 ワイン知ったかBOOK」
亜木直(著)(編)、オキモト・シュウ(イラスト)。出版社:主婦の友社
かなり初心者の方向けにかみ砕いて書いてあり、ワインの様々なの知識の基礎的な全体像を把握するのにいいと思います。私は最近買いましたが、ワインを飲み始めた頃にあったら、凄く良かったと感じました。お勧めです。