はじめに
今回の記事では、アルザス、ワイナリー・ツアーをレポートします。8月末にフランスのアルザスのワイナリーツアーに参加して、3軒のワイナリーを訪問し、また「オベルネの村」と、「アルザスの真珠」と言われる「リクヴィルの村」にも立ち寄ってきました。
下記写真は「VELTRA」のアルザス・ワイナリーツアーのページにリンクしています。こちらで申し込みし、参加しました。
目次
- 1 アルザス、ワイナリーツアー ストラスブールの街(出発の地)
- 2 アルザス・ワイナリツアー1つ目の村、オベルネ
- 3 アルザス・ワイナリツアー1軒目 「ドメーヌ ・ノエル・バシェル」
- 4 アルザスワイナリツアー2軒目 「ドメーヌ ・アチレ」
- 5 アルザス・ワイナリーツアー、リボーヴィレの村
- 6 アルザス・ワイナリツアー2つ目の村 「リクヴィル」
- 7 アルザス・ワイナリツアー3軒目 「ドメーヌ ・ドップ・オ・ムーラン」
- 8 アルザス・ワイナリーツアー リクヴィルのチーズ屋さん
- 9 アルザス・ワイナリーツアー 出発の地でラ・ファン
- 10 アルザス・ワイナリーツアー関連のおすすめ記事
- 11 アルザス・ワイナリーツアー参考情報
アルザス、ワイナリーツアー ストラスブールの街(出発の地)
ストラスブールはアルザス地方の中心地で、童話のような美しい伝統的な木組みの建物やプチット・ヴェニスと言われる水路からの美しい風景など素晴らしい景観があります。また、ギャラリー・ラファイエットなどの百貨店が並ぶ近代的な市街地もあります。
・集合場所・時間:ストラスブールのシンボルともいうべきノートルダム(・ド・ストラスブール)大聖堂※の真横にあるストラスブール観光局前に8:50集合。
※142m。15世紀に完成。1647年から1874年の間は世界で最も高い建築物。
写真上:大きすぎて塔は写真で捉えきれません。近づくと緻密な彫刻が凄いです。大きさと繊細さに圧倒されます。
写真左:大聖堂正面にある建物(後日ここで大聖堂を近距離で見ながらお茶をしました)。写真右:大聖堂側面。横から引きで撮っても入りきりません。
・参加メンバー:合計5名。ボストンから男女のぺア、ロンドンから女性1名、我々2名。
そして、現地ガイド兼運転手1名(国際交流として2000年頃高知県に3年間在留し、よさこい祭に外国人チームで参加したことがあるパリ大学卒の女性。日本語も堪能でした。)
・気温:最低気温16度、最高気温27度。
上記はアルザスの8月末のワイナリーツアー当日の温度です。特に日中はかなり暑いです。日が出ている時間帯も長く、20時でも明るくて1日が長い印象でした。アルザスは涼しいだろうという予想に反して、湿気は高くないのですが、夏は暑く、冬は寒い地域とのことでした。
アルザス・ワイナリツアー1つ目の村、オベルネ
ストラスブールを出発し、車で30分程移動している間は、ガイドからアルザスの歴史などについて英語で説明をいただきました。そうこうしている内に、アルザス・ワイン街道沿いの小さな村「オベルネ」に到着しました。ここでは、一旦車両から下車し、カラフルで美しい木組みの建物が並ぶ童話の世界に入り込んだような街並みを前に、ガイドの説明を受けます。
「オベルネ」は、当時アルザス地方を治めた侯爵の娘オディールの生誕の地。オディールは生まれながらに盲目であったが、修道院で洗礼を受け、奇跡がおきて目が見えるようになる。その後、修道院に多大なを協力するなどし、アルザスの守護聖人となる。
その後、街の中を車で移動しながら街並みを見つつ、近隣の小高い丘に移動して、オベルネの街並みを丘から俯瞰しました。中世の街並みそのものです。丘の上はほぼブドウ畑で、その広大さも圧巻でした。
アルザス・ワイナリツアー1軒目 「ドメーヌ ・ノエル・バシェル」
オベルヌの村を出発して、恐らく10時前後に到着。庭に置かれている青空のテーブルセットに案内いただき、さっそくテイスティングを開始。ちなみにテーブルに日陰を作っていた生け垣は、ピノ・グリかリースリングの背の高いブドウの木で、ブドウの房ができていました。ワイン用でなく生け垣用と思います。
家族経営とのことでしたが、オン・リストされていたワインはクレマン※からグラン・クリュまで19種類もある豊富なラインナップでした。しかも全てロープライスで驚かされます。1000円未満が多くを占め、グラン・クリュでも1500円程度でした。
上記写真上段はワイナリーの表示。写真下段はワイン(クレヴネル)と洋菓子。
・テイスティング:クレマン※からグラン・クリュまで、9種類をテイスティングさせていただきました。私は全て飲み込んでいましたので、朝日を浴びつつ、既にいい雰囲気を醸しだしていたと思います。
※クレマン:シャンパーニュと同様の瓶内で2次発酵をさせたスパークリング・ワイン。
写真は、上段が左からクレマン・ダルザス・ロゼ、ピノ・オーセロワ、クレヴネル2種、下段はグラン・クリュ3種(リースリング、ピノ・グリ、ゲヴェルツトラミネール)。
テイスティングの内容等はリンク先の記事を参照ください。
ここではグラン・クリュのゲヴェルツトラミネールとリースリングを購入しました。その後、購入したワインを飲んだ感想はこちらの記事をご覧ください。購入の翌日抜栓してます。
アルザスワイナリツアー2軒目 「ドメーヌ ・アチレ」
2軒目は建物内を案内いただきながら、ワイン造りに関する様々な取り組みについて説明をいただきました。
建物は耐熱素材や木材や藁を使用し、温度の変化を抑え空調を必要としない工夫を取り入れるなど、サステナブルな取り組みをしている。
ブドウ栽培はビオディナミやオーガニックを実践し、醸造にはステンレスタンクごとに温度管理を実施し、それをパネルで一元管理するなど近代的な設備を導入している。
新進気鋭のワイナリーといった趣でした。
写真上段左:ワイナリー正面。外壁などに木材を多用しています。写真上段右:ステンレスタンクと一元化された温度管理パネル、そして木材でできた内装。写真下段はアルザス地方の木樽。
・ワイナリーで結婚式⁉
余談ですが、当日駐車場には、結婚式後に新郎新婦が乗るような装飾した車が停まっていたので何だろうと思っていたら、挙式後と思われる方々(小さな子供から老夫婦を含む集団)がワイナリーのテラスでワインを飲んでおられました。
・テイスティング:クレマンから始まり、リースリング、シルヴァネール、ピノ・ブラン、ゲヴェルツトラミネールなど4種のブドウ品種の白ワインをテイスティングし、合計5種類のワインを試すことができました。途中濃厚なチーズをワイナリーから差し入れしていただき、チーズとの相性を試すこともできました。
写真は、クレマン・ブラン・ド・ノワール、リースリング、シルヴァネール、ピノ・ブラン、ゲヴェルツトラミネール。
時間は12時台ですが、日差しが強く、ワインの移りが悪く恐縮ですが、日中から青空でブドウ畑を眺めながら飲むワインもまた良かったです。
テイスティングの内容等はリンク先の記事を参照ください。
ここでは、リースリングとゲヴェルツトラミネールの2本を購入しました。飲んだ感想などは次の記事をご参照ください。1本は購入した当日抜栓しています。
写真上段は、ワイナリーのテラスから全容が把握できない程の広大なブドウ畑とブドウの房のアップ。下段はブドウの樹と背景の山頂の建物。
アルザス・ワイナリーツアー、リボーヴィレの村
2軒目のワイナリー訪問を終え、昼食を取るため次の目的地であるリクヴィルの村に向けて車で移動しました。その過程でリボーヴィレの村を通り過ぎました。残念ながら通り過ぎただけですが、次のような説明がありました。
この村は「幸福を運ぶ鳥」と言われる渡り鳥「こうのとり」が子育ての時期に巣を造るため立ち寄る村で、コウノトリの里として知られています。実際に、高い建物の屋根の上に、大きな巣を目撃することができました。
また、私が高回転でリピート買いしているワイナリー「トリンバック」を横切りました。
・トリンバックをチラ見
一瞬でしたので、写真を撮る間もなかったですが、ガイドの説明ではドイツや日本など海外に輸出しているなどとのことでした。私もトリンバックはお気に入りで多くの種類のワインを飲んでいます。いずれも好きでよくリピートしています。中でも下記リースリングが一押しです。美味しいですよ。次回は立ち寄ってみたいですね。
トリバンクの本ブログの記事は下記リンクからご参照ください。こちらの品種も美味しいですよ。
アルザス・ワイナリツアー2つ目の村 「リクヴィル」
・リクヴィル到着
次の目的地であるリクヴィルの村に14時頃に到着。リクヴィルは「アルザスの真珠」と表され、また「フランスで最も美しい村」に認定されています。オベルネのように木組みでカラフルな建物が並び、童話の世界に入り込んだような気分になります。
一旦別行動となり、各自昼食を食べるレストランを探すことに。我々は下記写真のように建物も素敵なお店でいただくこととしました。
アルザスの郷土料理であるお肉の煮込み料理の「ベッコフ」(18€。2100円位)とグラスでピノ・ノワール(6.8€。800円位)をいただきました。味付けは非常にシンプルで薄味の優しい料理でした。それに朝から飲みどおしでしたので、身体に優しい食べ物でぴったりでした。と言いつつ、またワインを飲んでいましたが…。
ベッコフなど今回のフランス旅行中に食べた食事についてはこちらの記事をご参照ください。
アルザス・ワイナリツアー3軒目 「ドメーヌ ・ドップ・オ・ムーラン」
最後のワイナリーとなるドメーヌ・ドップ・オ・ムーランは、リクヴィルの街の中にテイスティングできるワイン・ショップを構えていました。入り口はメイン通りに面しており、少し地下に降りて中に入ると、天井は複数のドームをつなげたような作りで、伝統的な建造物の構造と、壁面と天井を白色で統一した洗練された雰囲気のスペースでした。ワインの陳列もスマートでした。
このワイナリーは創業1574年の歴史を持ち、アルザスの細長いワイン瓶の導入や、クレマン・ダルザスの開発など先鋭的な取り組みも行ってきた、まさにアルザスの名門でした。
・テイスティング:クレマン2種、グラン・クリュ4種を含む全7種類をティスティングしました。いずれも素晴らしいワイン達でした。ピノも美味しかったです。いい色しています。
写真は、上段左2つがクレマン(ブリュットとダルザス・ロゼ)、上段右、および、下段左2つが各グラン・クリュ(リースリング、ピノ・グリ、ゲヴェルツトラミネール)、下段右がピノ・ノワ―ル。
久しぶりに極甘口の貴腐ワイン(下記写真、ゲヴェルツトラミネール・グラン・クリュ・セレクション・グラン・ノーブル2008)を飲みましたが、凄いワインでした。グラスに注がれたワインの色が違います。テイスティングした中では最も高価で、ボトルで約7000円(それでもかなり安い気がしますが…)です。ご馳走様でした!
テイスティングの内容は次の記事をご覧ください。
このワイナリーでは、ピノ・グリとゲヴェルツトラミネールのグラン・クリュの2本を購入しました。
アルザス・ワイナリーツアー リクヴィルのチーズ屋さん
同じくリクヴィルの街の中にあるチーズ屋さんを訪問しました。店内に入ると、陳列しているチーズの数や、1つずつのサイズ(切り株⁉丸太⁉)が巨大で日本では考えられません。味見をして必要なサイズを購入するスタイルでした。
三種類のチーズをテイスティングしました。1つ目は、あまり香りが強くなくマイルドな味わいで、食べやすく美味しい。ナチュラルな感じ。2つ目は、少しスモーキーな感じです。3つ目はかなり濃厚で、かつ、スモーキーでした。
写真:手前の3種類の巨大なチーズをテイスティング。
ロンドンから参加した方はもっと切ってくださいと言いながら、大きな切り身を複数買っておられました。欧州はチーズ好きですね。
写真左:壁一面、巨大なチーズ。写真右:ワインも壁一面に。ワインも売っているんでしょうね。
アルザス・ワイナリーツアー 出発の地でラ・ファン
チーズ屋さんを後にした時に、どこか行きたいところはあるかと聞いていただいたのですが、みんな飲み疲れ状態だったようで、まっすぐ帰ることに。これで、全てのスケジュールは終了(16時前位)し、リクヴィルの街を後にします。
リクヴィルの街は見渡す限り、ブドウ畑に囲まれており、一大ブドウ産地であることが良く分かります。写真下段の建物の後方の丘の緑は全てブドウ畑です。
延々と続くブドウ畑を車窓から眺めながら、17時過ぎには出発地点であるストラスブールに到着しました。
朝からワインを飲み続け、また、世界のあちこちから集まってきたワイン好きの6名(ガイドさんも含む。特にゲヴェルツがお気に入りとか)との丸1日の交流も楽しく終了しました。
なお、「VELTRA」で申し込めるアルザスのワイナリーツアーは全て英語対応のガイドでした。逆に英語のツアーに申し込んだおかげで、思わぬ国際交流をすることができました。日本語対応だと日本人しか参加しないでしょうから、これはこれで有意義だと思います。
たまたまのようですが、日本滞在経験のあるガイドさんと交流ができたことも良かったです。
当然ですが、みんなワイン好きという共通点があるのは交流の土台にできるのでいいですね。私は英語はほとんど聞き取れませんが、クレマン・ダルザスの説明で、「瓶内2次発酵をさせるシャンパーニュと同じ製法」とかいうところが聞き取れて個人的にはツボでした。
ワインに関する予備知識と知っている単語(ブドウ品種など)があると、心意気で聞き取れるようです⁉
いろんな意味で満足した1日でした。朝から飲みどおしでしたが、この後ホテルに戻り、ワイナリーで買ったばかりのワインをさっそくいただきました。ワインの感想は下記のリンクの記事をご覧ください。
このワイナリーツアーの記事はこれでラ・ファン(エンド)です。最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。
アルザス・ワイナリーツアー関連のおすすめ記事
・今回の旅は飲んだくれの旅というそもそもの設定でもあったので、7泊8日の旅で40種類近くのお酒を飲んでいました。飲んだお酒の備忘録として記事にしています。
・今回のフランス旅行(アルザスとパリ)中にいただいた食事などを下記記事に整理しています。
アルザス・ワイナリーツアー参考情報
実際の旅程は以下のとおりです(日本からアルザス⇒アルザスで3泊。アルザスからパリ⇒パリで3泊。パリから日本、機中で1泊)
1日目:日本を午前中出発し、12時間のフライト後、時差でその日の日中にシャルル・ド・ゴール空港に到着。高速鉄道TGVで2時間半程でアルザスのストラスブールに夕方到着し、ストラスブールで3泊。
4日目:同じくTGVでストラスブールからパリに移動し、パリで3泊。
7日目:復路のフライトは、午後早めの便で出発し、翌日の朝、早めに日本に到着しました。
参考資料
1「地球の歩き方」を片手に旅行しました。妻が「フランス」版、私が「パリと近郊の町」版を所有していましたので、各自で持っていきました。また、このブログの記事を作成する際にも参考にしています。
2「2014 ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート 日本ソムリエ協会 教本」一般社団法人日本ソムリエ協会
アルザスのワインについては、ソムリエ教本を読んで少し勉強してから行きました。何となく行くよりは、事前に少し知識を入れるだけでも非常に良いと思います。
利用したサービス
今回のフランスへの旅行及びワイナリーツアーは下記を利用して計画を立てました。旅慣れている方は不要と思いますが、私のように不慣れな方には少しは参考になるかもしれませんので、記載しておきます。
・ワイナリーツアー
「VELTRA」というWEBサイトから、ワイナリーツアーを日本で事前に申し込みをして参加しました。以前、同じくVELTRAを利用してボルドーのワイナリーツアーにも参加しています。
下記画像は「VELTRA」のアルザス・ワイナリーツアーのページにリンクしています。こちらで申し込みし、参加しました。
日程もいろいろ選べますし、アルザス以外にも、ボルドーやブルゴーニュなど他地域のワイナリーツアーもたくさんオン・リストされていますので、ぜひチェックしてみてください。ワイン好きならツアーの内容を見ているだけでも、いつかは行くぞと思いながら楽しくなります。
・航空券とホテル
「エクスペディア」というWEBサイトで、航空券とホテルをなるべく安く確保しました。今回は8月の最終週を土曜日から土曜日で旅行しましたので、下記は同様の設定をR2年ヴァージョンでエクスペディアで行っています。
・下記はパリで宿泊したホテルのページです(エクスペディアへのリンク)
ヴィッラ・モディリアーニ・オテル(Villa Modigliani hotel)
・下記はストラスブールで宿泊したホテルのページです(エクスペディアへのリンク)
・グローバルWIFI
今回はグローバルWIFIを活用しました。予め日本でWEB上で申し込みをして、当日日本の空港で受け取り、帰国後に空港で返却するといった簡単な流れでした。割引もあり、結構安価でした(7日間で2000円未満でした)ので、活用をご検討されてはいかがかと思います。